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タモリとクレージーキャッツ<2>邂逅

  • kajiwarazassi
  • 2015年9月29日
  • 読了時間: 2分

タモリと戦後芸能史

 『笑っていいとも!増刊号』(フジテレビ系)でタモリは憧れの芸能人にクレージーキャッツを挙げたが、植木等とは1回しか共演したことがないと話していた。

 その共演って多分このことだと思う。

 1986年に放送されたフジテレビのクレージーキャッツ30周年特番。クレージーキャッツの演奏に「十二番街のラグ」にタモリがトランペットとして入る。類まれな演奏力を基底にしたクレージーキャッツのネタにタモリは圧倒される。しかし、タモリはひるまない。6人に囲まれて真ん中に立つタモリ。「一緒に演奏させてくれませんか」と頼むがクレージーキャッツは「我々とやるにはそれなりの実力がないと。一回見せてもらおうか」と大きく出る。タモリは「意外と年寄りって意地悪なんだなあ」とぼそり。18歳年上の人になかなか言えるではない。誰が来ようと決して尻込みすることがない。これはタモリの真骨頂でもある。『笑っていいとも!』テレフォンショッキングで幾多の著名人を相手にできたのは、この胆力にあったのではないだろうか。

 クレージーキャッツもタモリに対して、わざと意地悪そうなことをしてみせたりはするが、基本的に敬意を払っている風にみえる。

 最近のテレビでは芸人の上下関係、芸歴の差などをわざわざ見せるところがあるような気がする。タモリとクレージーキャッツが共演したこの放送には、同じ板の上に立ったら、立場は同じであるという面が垣間見える。これもある種ジャズマンの定義みたいなものなのかもしれない。

 
 
 

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