憲法9条と安倍内閣の壮大な大ボケ
- kajiwarazassi
- 2015年6月18日
- 読了時間: 2分
物語は昨年7月に政府が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈を閣議決定したところから始まる。そして、今年4月に行われた日米首脳会談で大きく動いた。
6月4日、衆院憲法審査会は憲法学者3人を招いて参考人質疑を行ったところ、3人はいずれも、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を含む安保関連法案について「憲法違反だ」と批判。その中には、与党が推薦した参考人もいたという。
この状況を受けて、菅官房長官は「全く違憲ではないという憲法学者はたくさんいる」と開き直ったが、10日には「数の問題ではない」と少数派であることを認めた。
15日、憲法学者の長谷部恭男早大教授が「95%を超える学者が違憲だと考えているのではないか」という見方を示す。「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」では190人以上もの呼びかけ人と賛同者を集めた。
お笑い的にはしっかりとしたボケである。
権威ある人が誇大に物事を解釈したものについて、調査が挙がってくると、“数字”を否定する。ツッコんでほしいと言わんばかりの大ボケではないか。
もともと、集団的自衛権の議論に関しては、安倍晋三の祖父にあたる岸信介が首相だったときに参院予算委員会で「集団的自衛権を一切憲法上持たないということは言い過ぎだ」と答弁していることから始まっている。岸・安倍以外の政府は基本、「集団的自衛権は憲法上許されない」という見解を出している。
外を見てみると、南シナ海近辺の中国の動きが怪しい。日米というか、アメリカ?がけん制したいと思ったのだろう。タカ派の安倍さん的にも、自民党以外の政党が弱すぎて、今がチャンスだと思ったのだろう。また、アメリカの支持(指示?)を受けたから、引くに引けなくなっちゃってるのだろう。
となると、この物語は今回の大ボケでは終わらないし、終わる訳がない。まだ、中盤に差し掛かったところぐらいではないか。左翼対右翼の徹底論戦が行われた後、カタルシスは、改憲の国民投票で得られることになるだろう。まるで、長編コントだ。
ちなみに、「鎖国しちゃえば、個別自衛権だけで、集団的自衛権を行使しないで済むし、わざわざ改憲なんかしなくていいじゃないか」というのが私の意見である。
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